残留農薬

このサイトの内容について
輸入野菜からの基準値を超える残留農薬検出、有機栽培と偽っての農薬などの使用、使用禁止農薬の使用、間違った農薬の使用方法など。
農薬の使用は規制はされているもののそれを使う側のモラルによるところが大きいのは否めません。
食の安全への関心が高まる今日、私たちが口にする食品は安全でしょうか?
このサイトの内容は、あくまでいち消費者である運営者個人の視点による残留農薬の真実です。
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残留農薬

農薬摂取量と基準のメニュー
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・残留農薬基準: 決められた基準とは・・・>>
・ポジティブリスト制度: 現実的になった規制 >>
・農薬のドリフト(飛散)対策: ばらまかれていた農薬 >>
・POPs物質: 世界中で規制される危険物質とは・・・>>
・販売、使用禁止農薬: その農薬と理由 >>
・農薬摂取量と基準のまとめ: このページのまとめ >>

残留農薬の本当

農薬の一日許容摂取量(ADI)

農薬は、その歴史の中で環境や生物への影響が大きいことが分かります。
そのため農薬の使用に関して規制され、私たちにとって身近な農作物や環境への農薬の残留性も規制されています。
その残留農薬の基準となるのが、農薬の摂取上限値であるADI(Acceptable Daily Intake:一日許容摂取量)です。
ADIの決め方は、動物実験で毎日農薬入りの餌を与え、解剖等により発がん性、3世代にわたる繁殖への影響、催奇形性、遺伝毒性など様々な検証が行われ、影響の出ない量を求められます。
その結果問題のない量を無毒性量(NOAEL)とし、それを安全係数として1/100したものを、人が農薬を一生にわたって、毎日摂取しても健康に影響の恐れのない、体重1Kgあたりの上限値、一日許容摂取量(ADI)として算出されます。
基本的にADIは、FAO(国連食糧農業機関)、WHO(世界保健機関)、合同食品規格委員会(CODEX)で決められます。
このADIを元に、各国で残留農薬基準が決められますが、日本では厚生労働省によって策定されます。
*体重50キロの人の一日許容摂取量 = ADI × 体重50キロ

残留農薬基準

基本的に残留農薬の摂取基準値は、農作物から摂取される農薬以外に、肉や魚介類、水や空気などの環境からの影響を考慮して、ADIの80%を超えない値が設定されます。
その過程は、FAO(国連食糧農業機関)、WHO(世界保健機関)、合同食品規格委員会(CODEX)等によって、実際に農薬を使用して農作物を栽培し、農薬の残留量を分析して基準値を設定します。
この基準値の農薬が、食品に残留したと仮定、国民栄養調査などを元に国民平均、幼小児、妊婦、高齢者の4つのグループごとに、1日に摂取しうる農薬の量を算出します。
その数値をグループごとにADIと照らし合わせ80%を超えない場合は、これが残留基準値に設定されます。
しかし、4つのグループのうち1つでも、ADIに対して80%を超える場合は、農産物の可食部(皮など食べない部分を除去)の残留農薬、調理加工後の残留農薬など、生活に近い状況によって1日に摂取しうる農薬の量を算出します。
これでADIを超えない場合は、その値を採用、超える場合は、基準値の最も低い値が採用されます。
このような段階を経て、農作物それぞれに残留農薬の摂取基準が設定されます。

ポジティブリスト制度

平成18年までは、残留農薬の基準が設定された283の農薬類以外の残留農薬は、基本的に規制できませんでした。
海外で使用が認められている農薬は700〜1,000種とも言われ、しかも日本では食品の60%を輸入に頼っている事もあり、このギャップが引き起こす残留農薬が社会問題にまでなりました。
そこで残留農薬の基準値がない農薬は一律0.01ppm(1ppmは百万分の1、0.0001%)で規制される、ポジティブリスト制度が平成18年からスタートしました。
しかし、市場の混乱を避ける目的で残留農薬の基準値のないものは、経過措置として海外の基準値を暫定的に使用することで、758の農薬類について暫定値が適用されています。
経過措置は平成18年から5年間とされ、この間に正規の評価によって残留農薬の基準が決められることになっています。
この残留農薬の基準は、食品衛生法として国産、外国産の食品が規制され、残留農薬基準を超えるものは廃棄処分などが行われます。
*農薬毎の残留農薬基準の参照サイト。
・食品に残留する農薬等の限度量一覧表 (財)日本食品化学研究振興財団

農薬のドリフト(飛散)対策

農薬を散布するとその80%が地中や空気中に飛散する事が知られています。
地中に入るものに関してはある程度予測でき、農薬の土壌への残留などは残留農薬基準や農薬取締法などで対策されています。
空気中への飛散(ドリフト)は、予測が難しい上に近隣の住宅や田畑、あるいは直接人への被害が考えられます。
農薬の空気中へのドリフトは、農薬が液体や粉末、粒状などの種類。
そのときの天気や湿度、風の強さ、風の向きなどの環境。
人の手によるものやヘリコプター、飛行機、ラジコン等での散布の仕方などで大きく変わります。
農薬のドリフト量は、風による影響が最も大きく、風下へ数十メートル、場合によっては50メートルを超える農薬のドリフトが分かっています。
昔ドライブしていると、田園風景のなかで霧がかかったような状態になるほどの、農薬散布の風景を見ました。
この時距離があったにもかかわらず、嫌な臭いがしたのを覚えていまが、これは明らかに農薬がドリフトしていたのでしょう。
今考えるとぞっとしますが、現在はそういった風景は見ないはずです。
ポジティブリスト制度の施行と共に残留農薬の基準が厳しくなることから、農薬の使用法や散布の仕方など、文章による通知や教育によるドリフト対策が行われました。
しかし、農薬を使用する側のドリフトへの関心が高まってはいますが、ドリフト対策はあくまで対策であって規制ではありません。
そのため農薬の使用者の自主規制によるところが大きくなっています。

POPs物質

POPsとは、残留性有機汚染物質(Persistent Organic Pollutants)の略で、「残留性有機汚染物質が、毒性、難分解性及び生物蓄積性を有し、並びに大気、水及び移動性の種を 介して国境を越えて移動し、排出源から遠く離れた場所にたい積して陸上生態系及び水界生態系に蓄積する」とされる物質のことです。
POPsに指定された化学物質は、製造・使用を原則禁止とする「残留性有機汚染物質に関するストックホルム条約」通称POPs条約で、日本はこれに批准しています。
POPsに指定された化学物質は、12種類あります。
農薬
アルドリン、ディルドリン、エンドリン、DDT、ヘプタクロル、クロルデン、 ヘキサクロロベンゼン(HCB)、マイレックス、トキサフェン
その他
ポリ塩化ビフェニル(PCB)、 ポリ塩化ジベンゾパラジオキシン(PCDD)やポリ塩化ジベンゾフラン(PCDF)のダイオキシン類
この内、アルドリン、ディルドリン、エンドリン、クロルデン、ヘプタクロル、トキサフェン、マイレックス、ヘキサクロロベンゼン、ポリ塩化ビフェニル(PCB)は、製造と使用を禁止されています。
ダイオキシン類は排出の削減、DDTは製造と使用の制限はされているが、発展途上国でのマラリア対策での使用を認めている。
これらPOPs物質は、回収され地中への埋設処理がされたが、現在それぞれの物質の無害化の技術開発により、徐々にその作業が進められている。

販売、使用禁止農薬

農薬取締法によって使用や販売が禁止されている農薬は、表のようなものがあります。
農薬名 使用用途 禁止理由
アルドリン 殺虫剤 POPs物質
エンドリン 殺虫剤 POPs物質
ガンマBHC 殺虫剤 残留性
クロルデン 殺虫剤 POPs物質
水銀剤 殺菌剤 人体への毒性
水酸化トリシクロヘキシルスズ(プリクトラン) 殺虫剤 催奇形性の疑い
ダイホルタン 殺菌剤 発ガン性の疑い
ディルドリン 殺虫剤 POPs物質
トキサフェン 殺虫剤 POPs物質
パラチオン 殺虫剤 急性毒性が強い
砒酸鉛 殺虫剤 作物残留性
ヘキサクロロベンゼン 殺菌剤 POPs物質
ヘプタクロル 殺虫剤 POPs物質
マイレックス 殺虫剤 POPs物質
メチルパラチオン 殺虫剤 急性毒性が強い
2,4,5-T 除草剤 催奇形性等の疑い
CNP 除草剤 ダイオキシン含有
DDT 殺虫剤 POPs物質
PCP 除草剤・殺菌剤 ダイオキシン含有
PCNB 殺菌剤 ダイオキシン含有
TEPP 殺虫剤 急性毒性が強い

農薬摂取量と基準のまとめ

農薬を新規に開発して販売するまでに、莫大な費用と時間がかかります。
そして生体や環境へ配慮した規制のため、強い毒性をもつ農薬は姿を消しつつあります。
そのかわりに自然に近い天敵などの農薬が推奨されていますが、化学的に作られたものはゼロにはならないでしょう。
これら基準はあくまでも、健康に害のない量としての基準であることを忘れてはいけません。
なかには自然な食品にも、基準をクリアーした農薬よりも毒性があるものがあるから大丈夫では、などという人がいます。
しかし、いくら健康に害がないといわれても、摂らないでよい物は摂りたくありません。
農薬のほとんどが、毒性のあるもので、そのリスクを背負うのは消費者である私たちですから、選ぶ権利はこちらにあるはずです。
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